kenwood mdミニコンポ sv-3md-s(シルバー) |
\ 28000 |
mdとは
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1.ミニディスクの誕生
1991年5月、ソニーから「ミニディスクフォーマット」が発表されました。しかし本当の誕生はそれよりも4年前、
1987年になります。1987年は「cd−mo」という規格が完成した年でした。cd−moはcdサイズの
光磁気ディスクで音楽用にしたものです。(パソコン用5.25インチのmoがあったが、音楽用には不向きでした)
正に今の「レコータブルcd」の前身であり、これが発売されていたら今の録音メディア状況は大幅に変わっていたでしょう。
しかしこの「cd−mo」にはgoサインが出ませんでした。なぜでしょうか?当時としては画期的だったのに・・・
ずばり「デジタル録音に関する著作権問題」がネックになっていました。このとき当時社長であった大賀氏が
この「mo」に関しての可能性を見いだしており、この技術を応用した新たな「録音メディア」の青写真があったのです。
そう、それこそが「md」の誕生だったのです。
はじめはディスクサイズが8cmで行われていました。8cm?そうです。シングルcdのサイズです。(大賀氏)
これはカートリッジ(キャディー)に入ったシングルcd「電子ブック用cd−rom」によるものです。
ディスク条件は、cdより小さい、録音時間はcdと同じ、カートリッジ(キャディー)に入っていること、
音質はcd並で、振動に強い。これが条件だったためディスク経には8cmが必要だと言ってました。
(音楽圧縮にはcd−iの「adpcm-b」を採用予定でした。圧縮率は1/4です)
しかし技術者はさらに小さなディスクを要求していました。そのサイズが6.4cm(64mm)なのです。
64mmはカセットテープの奥行きと同じ大きさです。(カートリッジを含めるともう少し大きくなりますが)
完全にカセットテープの代わりになるものを意識していました。開発段階では6.4cm、8cm、そして
その中間サイズの3種の試作品を作り、6.4cmで行くことになりました。
次に記録方式です。mdは光磁気技術である「磁界変調オーバーライト方式」というものを採用しています。
しかし開発当時はこの「磁界変調オーバーライト方式」は理想的かつ実現不能の方式といわれており、
誰もが考えていたものの、完成したものではありませんでした。それはなぜか?パソコン用記録メディアとして
研究していたためなのです。パソコン用の記録メディアは高速に情報の読み書きを実現する必要があり、
磁界を変化させて記録すると言うことは、電磁石に電気を流して磁界を発生させてs・nを作るのですが、
ディスクが高速回転することによりコイルでs・nを作るために、電流向きスイッチングスピードも高速にする
必要がありました。約10数mhzという周波数が必要だったため、磁石は永久磁石を利用しレーザー光の
出力タイミングを変える方式「光変調方式」が実現的とされていました。
mdはパソコン用ほど高速に情報のやりとりが必要ありませんでした。そのため磁界変化もゆっくりで
いいため、約720khzの低い周波数を利用でき、構造が単純な「磁界変調オーバーライト方式」が
実現できたのです。また磁界変調オーバーライト方式はディスクの傾きに強いという利点があります。
ポータブルを考えているmdにはとても有効です。
磁界変調オーバーライト方式はmdのためにあるような技術なのです。(過言かな?)
数々のmdに対して有効な特徴、仕様が研究され、1991年5月に発表、1992年11月に発売になったのです。
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2.ディスクの種類
ミニディスクには3種類のディスクが存在します。皆さんがcdからダビングする「レコータブルmd」
cdショップで売られている「ミュージックmd」そして未だお目にかかったことのない「ハイブリッドmd」
「レコータブルmd」はもう説明の必要はありませんね。俗に言う「生ディスク」「ブランクディスク」で、
自分で音楽を録音できるディスクのことです。ディスクは「光磁気ディスク」で製造されています。
「光磁気ディスク」と聞いてすぐに思い浮かべるのが、パソコン用の「mo」ですね。mdもこのmoと
同じ部類に入ります。「光」と「磁気」を利用してディスクに情報を書き込みます。
★mdとmoは同じ光磁気ディスクですが、記録方式が異なります。mdは「磁界変調オーバーライト方式」
moは「光変調方式」を利用しています。
しかし注意して下さい。パソコンの「pd」や「dvd−ram」は「光磁気ディスク」ではありません。
「pd」や「dvd−ram」は「相変化ディスク」であり、磁気を使用していません。相変化記録は
レーザー光を記録層に照射することにより、その記録層の物質が「結晶質」「非結晶質」になることを
利用して情報を書き込む方式になっています。(cd−rwもこの方式を利用しています)
★ちなみにレコータブルmdの直径は規格の64mmよりもやや大きい64.8mmとなっています。
「ミュージックmd」はcdショップで売られている音楽ソフトです。早い話cdのmd版で買ってすぐに
mdプレイヤーで楽しめます。ミュージックmdはcdと同じ「光ディスク」によって製造されているため、
別の曲を録音することは出来ません。
mdはcdと同じ「光ディスク」ということで、構造は全くcdと同じです。ディスクには「ピット」と呼ばれる
窪みがあり、ディスクにレーザー光を照射してその反射光の「光量」の大きさによって情報を読みとります。
そしてピットの深さや配置距離などは全くcdと一緒なため、cdの技術がそのまま使用できます。
「ハイブリッドmd」は「レコータブルmd」と「ミュージックmd」の両方の特性を持つディスクのことです。
ディスクの前半には「ミュージックmd」と同じ構造の書換不能エリア(光ディスク構造)が存在し、後半には
書換可能エリア(光磁気ディスク構造)があります。しかし未だに見たことがありません。
もうこれは上記2つの技術が応用されたディスクです。
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3.ミニディスクの特徴
mdはcd世代がcdと同じような操作性と、それ以上の利便性を集結した録音メディアです。
ソニーはアンケートや調査を行い、ユーザが求める満足度(cs)の高い特徴をmdに盛り込みました。
1.すばやい選曲
cd世代のユーザが求めていたのは何よりもこれでした。テープではどうしても「頭出し」が必要で、
この待ち時間をユーザは嫌っていました。さらにdatならインデックスがあるので問題ないのですが、
カセットテープではジャストな位置から再生させるのは相当困難なものです。
2.メディアの信頼性
mdはcdとは違い、ディスクがカートリッジに入っています。汚れ(指紋)や傷にはほとんど無縁です。
(ほこりに関しては・・・ちょっと疑問がありますが・・・)
さらにテープとは違い、絡まったり伸びたりしませんし、外来磁気の影響を受けません。たとえばmd
を磁気の発生する場所に不用意に置いてしまっても、内容が消えてしまうことがありません。
(だからといって故意に置くことは避けた方がいいでしょう)
また再生・録音を繰り返してもディスク自体の劣化がほとんどありません。mdの仕様では100万回の
録音を行ってもその品質を維持できるようにと明記されており、今現在発売されているディスクでは
100万回以上でも対応出来る品質になっています。(メーカー加速テストによると思います)
3.ポータビリティー(携帯性)
cdとカセットテープを比較した場合、この携帯性の満足度はカセットは大変優れていて、
cdは不満度の方が満足度よりも上回っていました。
mdの開発でもこの携帯性を十分考慮する必要がありました。なにしろカセットテープの満足度は
とてつもなく高く、それを越える必要があったからです。
ディスクカートリッジは(w)72x(h)68x(d)5mmで、コンパクトカセットの体積比4分の1であり、
扱いも簡単でアウトドアにも気軽に持ち出すことが出来ます。
4.再生時の音飛びに強い
今ではポータブルcdでも「音飛びガードメモリー」が採用され、際だった特徴ではなくなりましたが、
この考えを生み出したのがmdなのです。当時は「ショック・プルーフ・メモリー」と呼ばれ、
(正式にはショック・レジスタント・メモリー)メモリーに再生すべき音楽情報を事前に読み込んでおき、
そこから再生することにより、振動による音飛び(ピックアップのズレによる読み込みエラー)を回避で
きると言うことです。
5.デジタル録音
mdの録音は「デジタル」である。圧縮・伸張しようとも、デジタルです。
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